履歴書の賞罰には何を書くべき?賞罰の基準と賞罰欄がない場合の対処法

履歴書の賞罰欄の書き方

履歴書を書く際には氏名や住所などはもちろん、学歴や職歴などさまざまな記入項目があります。

その中でも、特に賞罰の項目については、「どう書けばよいかわからない」、という人が多いでしょう。

販売されている履歴書には、賞罰の項目があるものとないものが存在しています。

特に、近年販売されている履歴書は、賞罰の項目がない履歴書が多いです。

そのため、賞罰の記入方法について困っているのであれば、項目が存在しない履歴書を購入し、提出することも有効でしょう。

ただし、企業によっては履歴書のフォーマットをあらかじめ指定しているところもあり、指定フォーマットの中に賞罰の項目がある場合は、記入するほかありません。

そこで、賞罰を記入しなければならない場合、記入方法が分からないという場合の対処法を紹介します。

履歴書の賞罰にはどのような意味があるの?

「賞」とは、なんらかの賞を受賞した経験、表彰された経験であり、「罰」とは刑法犯の有罪判決を受けたかどうかです。

例えば、就職活動の際にアピールできるような受賞歴がある場合は、賞罰の項目でアピールします。

また、必ず書かなければならない「罰」については、ある一定の基準が定められているのです。

以下では、その基準について述べていきます。

履歴書の賞には何を書くべき?

全国レベル以上が基本

受賞歴は、何かの大会で入賞したり、賞を受賞したりと言った文字通り賞にかかわる経歴のことをいいます。

賞は企業に対して必ずしも申告義務があるわけではありませんが、賞罰に記入すると企業に対して自分の長所をアピールできるという利点もあります。

しかし、どのような経験でも記入して良いというわけではありません。

基本的には、ある一定のレベル以上の公的な賞のみがその対象です。

記入すべき内容は、主に以下の3つとなっています。

  • 全国規模以上の大会で入賞した
  • ノーベル賞、芥川賞などの知名度が高い受賞歴
  • 国や都道府県からの表彰

例えば、スポーツの大会であれば、小さな大会の受賞例ではなく、全国大会や国際大会での入賞レベルである場合に記入します。

また、国や都道府県からの表彰の例としては、人命救助に関わり警察から表彰を受けるなどのケースが該当します。

なお、前職で成績優秀で表彰を受けた、特定の業界では認知度の高い賞を受賞したなどの仕事に関する受賞歴をアピールしたい場合は、賞罰欄ではなく、職務経歴書などに記入すると良いでしょう。

「罰」は何を書くべき?

罰を記入する場合、基本的には「刑事罰」を記入します。

刑事罰とは、刑法犯を犯して“有罪判決を受けて科された罰”のことで、懲役、禁固刑、罰金刑などです。

スピード違反など、一時不停止といった「軽い交通違反」などは「行政罰」に該当するため、記入しなくて良いでしょう。

ちなみに行政罰とは、行政法のうえでの義務を履行しなかった場合の罰です。

重大な交通違反を犯した場合は刑事罰に該当するため、賞罰の項目に記入します。

「罰」として書かなければならないもの

  • 交通違反点数が4点以上(交通事故や人身事故、酒気帯び運転など)
  • 傷害罪
  • 公然わいせつ罪

「罰」として記入の必要がないものとは?

不起訴になった事件

たとえ一度は告訴された場合でも、示談などで検察で不起訴となった場合は有罪の判決がくだっていないものは、記入しなくても良いです。

執行猶予になった事件

猶予を取り消されることなく期間が過ぎた場合、猶予期間を経過すれば刑罰は消滅するため、記入の必要はありません。

裁判中の事件

現在裁判中の事件であれば有罪が確定しているわけではないため、記入しません。

少年犯罪歴

未成年の犯罪歴は、記入しなくても問題ありません。

「青切符」を切られるような軽度な交通事故・交通違反

駐車違反や一時不停止、また運転中の携帯電話使用など交通違反点数が3点以下である場合も、記入しなくても良いです。

懲戒解雇

以前に勤めていた企業を懲戒解雇になったとしても、「罰」ではないため、記入しません。

効力が消滅している前科や前歴

効力が消滅した前科・前歴については、記入しなくても良いです。

効力が消滅するまでの期間は、懲役刑が刑期が満了から10年以上、執行猶予期間終了時、罰金刑が支払い後から5年以上となります。

職業によっては例外もある

職業によっては、罰として記入する必要がないものも記入しなければならない場合があります。

例えば、ドライバー募集の求人に応募する場合、交通違反歴や交通事故歴について質問されるため、行政罰であっても申告しなければなりません。

ドライバーの仕事をするのであれば、告知義務があるため、必ず記入しましょう。

また、ドライバー求人に応募するのであれば、運転記録証明書を提出することが一般的です。

運転記録証明書には、交通事故歴、交通違反歴、行政処分や点数など全ての情報が載っているため、虚偽の申告はできません。

重要になる「罰」や「賞」は、職業や業界によって異なるため、注意しましょう。

賞罰の書き方

実際に、履歴書の賞罰を記入する方法を見ていきましょう。

2つのタイプから、自分に合うものを選んでチェックしてください。

記入すべき内容がない場合

賞罰に記入するような受賞歴や犯罪歴がなければ、「賞罰なし」と記入します。

履歴書に賞罰欄がない場合は、別のスペースに賞罰について記入する必要はありません。

記入すべき賞罰がある

賞罰がある人は、「平成◯◯年 ●月 ○○賞受賞」や「平成◯◯年 ●月 ○○罪 懲役2年 終了」と記入します。

賞罰は必ず書く必要があるのか?

そもそも、必ず書かなければならないのでしょうか。

厚生労働省が推奨する履歴書(JIS規格)に賞罰欄は有りません

かつて、履歴書には「学歴・職歴・賞罰」と有るのが一般的でした。

しかし現在、JIS規格の履歴書には賞罰の欄が無く、ハローワークが公開している参考記入例にも存在しません。市販のものでも、無いことがほとんどです。

おそらく大抵の人にとっては書くことが何もない項目であるため、必要性の薄いものとして次第に削除されていったのでしょう。

よって、手持ちの履歴書に無いのであれば、何も書く必要も無いのです。

もし「罰」を隠した場合はどうなる?

罰は、隠したいと感じる人が多いでしょう。しかし、隠してしまうと転職活動の時間を無駄にしてしまうかも知れません。

「罰」を秘匿した場合、採用取り消しや就職後の解雇も

たとえば会社に指定された履歴書などで賞罰を記入する欄が存在し、かつ申告すべき「罰」があるのに何も記載せずに提出した場合、どうなるのでしょうか。

前述のとおり、「前科調書」や「犯罪人名簿」から他人に知られることは有りませんが、昔の記事やうわさ話など、思わぬところから会社に露呈してしまう場合もあります。

これは「告知義務違反」に該当するため、たとえ採用が決定した後や、働き始めた後であっても「採用取り消し」や「解雇」処分となってしまう恐れがあります。

ただし、一般的には「特段の事情のない解雇」は無効であるとされており、過去の判例では「会社がその事実を知っていたなら不採用にしたと思われるほどの『重要な経歴詐称』でない限り、懲戒解雇にはできない」(最高裁第一小法廷1991<平成3>年9月19日判決/労働経済判例速報1443号27頁)と示されたケースも存在するため、必ずしも解雇に繋がるわけではありません。

一方で下記のように、正直に伝えることで不利になることが明白であるならば、黙っていること自体は悪くはない(ただし嘘はダメ)という判例もあります。

「告知すれば採用されないことなどが予測される事項については、質問を受けた場合であっても、虚偽の回答をしない範囲で秘匿してもよい」

東京地裁2012<平成24>年1月27日/労働判例1047号5頁

いずれ知られてしまうならと最初から正直に申し出るのか、あるいは発覚しないと見越し書かずにいるのか、どちらを選択してどのような結果になろうと自分の責任です。

まとめ

最近は賞罰という文言自体を目にすることもほとんどないので、会社の履歴書などで急に出会うと、何をどう書いたものか困ってしまう事もあります。

結論から言えば書き方に決まりはなく、何も無ければ空欄でも構いません。

しかし、もし「罰」に該当する経歴を隠してしまうと、それが後々のトラブルの種になりかねないことは覚えておきましょう。

いざという時のため、正しい知識と書き方はしっかり身に付けておきたいですね。

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