転職面接における自己PRのコツと採用を勝ち取る例文まとめ

転職面接における自己PR

「自己PR」は、面接の合否を大きく左右するともいわれる重要な質問です。これを突破するためには、前もって念入りに対策をしておかなければいけません。うまくいけば、自分の優秀さを面接官に印象付け、高評価を得ることができます。

これから「自己PR」の回答例について解説しますので、ご自分の転職面接対策の参考にしてください。

企業はなぜ志望者に自己PRをさせるのか

面接官が知りたいのは、目の前の志望者が「入社してから活躍できる人材かどうか」ということです。自己PRとは、その能力があることをアピールできる最大のチャンスだと思ってください。

アピールすべき点は、大別して2つあります。これらをよく理解し、自分の言葉で自己PRができるように準備をしてください。

【1】会社で働くうえで必要な経験またはスキルをもっているかどうか

自己PRのなかでひとつ目に確認されるのは、会社が求めている経験やスキルを、その人がもっているかどうかということです。どのような人材が欲しいかということは、求人情報のなかに記されています。それらを十分に満たしているかどうかを、自己PRのなかで話して欲しいと面接官は思っています。

経験やスキルは、「ポータブルスキル」そして「テクニカルスキル」の2つに分けてアピールしましょう。

ポータブルスキル

ポータブルスキルとは、職種や業種に関係なく、どのような仕事をしていても発揮できる能力のことです。たとえば積極性、判断力、粘り強さ、協調性、几帳面さ、真面目さなどが代表的なポータブルスキルです。

どのような部署に配属しても、このスキルの高い人はその仕事にすぐに慣れて活躍できる可能性があります。そのため異種業種からの転職希望者の面接では、ポータブルスキルを面接官はかならずチェックします。

「関係者や同僚と粘り強く話し合い、納得できる合意に至るまで協議できる」、「スケジュールを厳守して進める力がある」、「臨機応変に対応し、PDCAを適切に回すことができる」などの言葉で、自分のポータブルスキルを求職者はアピールするといいでしょう。

テクニカルスキル

テクニカルスキルとは、特定の職種で発揮できる専門的能力のことです。特殊な業種や高度な専門的知識が必要とされる職種に応募する場合は、テクニカルスキルをアピールすることは欠かせません。もっている資格、マネジメントやプロジェクトの経験などをかならず自己PRで面接官に伝えましょう。

テクニカルスキルは、できるだけ具体的かつ詳細に話すことが大切です。経験したプロジェクトのことを話すのであれば、その内容だけでなく予算規模、人数、期間、評価まで伝えるといいでしょう。

同業種間で転職する場合は、テクニカルスキルをとくに強くアピールすることが大切です。同じ業界で転職を希望する30代、40代の求職者は、テクニカルスキルを十分に説明できるように準備しておくといいでしょう。

【2】社風に馴染める人材かどうか

その会社の社風や価値観に合う人材かどうかも、面接官にとっては重要なチェックポイントです。どんなにスキルと経験があっても、その会社の価値観や方向性に馴染まない人では仕事が長続きしない可能性があります。

長く働くことができ、企業に貢献してもらえる人物かどうかを、自己PRのなかで面接官は判断しようとします。

自己PRのコツ

1つか2つのポイントに絞って強みをアピールする

強みをアピールするときには、とくに伝えたいものを1つか2つ取り上げて、濃い内容で相手に訴えるようにしましょう。

ここぞとばかりに強みを並べ立てるのは、自己PRではかえってマイナスです。印象が散漫になり、面接官は求職者の言いたいことがかえってわからなくなります。

自己紹介とは別に自己PRを考えておく

面接では、自己紹介と自己PRの両方を要求されることが珍しくありません。それぞれの答えを考えておかないと、自己紹介と自己PRの内容が重なってしまうことがあります。自己紹介で話すこととは別に、自己PRでアピールすることをあらかじめ用意しておきましょう。

面接官によって、質問の仕方や順序は変わるものです。自己紹介とPRを同時に要求されることもあれば、「まず自己紹介をお願いします」、「では次に自己PRをお願いします」という風に、要求されることもあります。臨機応変に対応できるように、いくつかのパターンで回答の仕方を考えておくことも大切です。

会社の求める人物像と自分の強みを結び付けた自己PRを

どんなに優れたスキルや能力があっても、それらに対して面接官が興味を持たなければ意味はありません。募集要項は熟読し、求められる資質に合致する自分の強みを見つけておきましょう。

そしてそれを重点的にアピールする自己PRを考えます。企業が必要としている人材像に、自分がいかに近いかをアピールできれば、面接官から高評価を得られる可能性が高くなります。

今までに直面した困難とそれから得た教訓をアピール

どんな仕事にも困難がつきものです。むずかしい状況に直面しても、それを乗り越えて目的を達成できるかどうかは、面接官にとって興味のある事柄のひとつです。

以前の職場でどんな困難を経験したか、それにどうやって対処したのかを自己PRに盛り込むようにしましょう。苦労を通して成長できたことを、できるだけ具体的にアピールすることが大切です。

職務経歴書の内容と矛盾しない自己PRを考える

応募するときに、求職者は企業へ職務経歴書を提出します。この書類のなかの自己PR欄に、自分の強みについて求職者はすでに書いています。

面接では、この内容と矛盾しない内容で自分をアピールしなければいけません。職歴応募書とまったく違う内容の自己PRを話し始めると、面接官は戸惑いますし、求職者の印象も悪くなります。

面接時の自己PRでは、職歴経歴書に記載した内容に説得力をもたせるように、より具体的に話すことがコツです。

抽象的な話ではなく具体的なエピソードを盛り込んだ自己PRを

自分が体験したエピソードを取り上げ、できるだけ具体的に自己PRを行うことが大切です。体験談を交えて話すことで、自己PRに臨場感や説得力が加わります。エピソードを聞いているうちに、目の前の求職者が入社して働いている姿まで面接官はイメージすることができるようになるでしょう。

短所も長所に言い換える自己PR

自己PRで自分の短所について触れなければいけないときには、それを上手に言い換えて長所のひとつとしてアピールすることが大切です。「長所とまったく別に短所がある」よりも、「長所が行き過ぎて、ときに短所になることがあった」とするほうが、自己PRはきれいにまとまります。

たとえば「慎重すぎて、いつも準備に時間がかかりすぎてしまう」という短所を話す必要があるなら、「リスクを最小限に抑えるために、事前の下調べや対策を入念に行う」と言いかえるといいでしょう。

社会人経験の豊富さをアピールできる自己PR

転職者向け面接の自己PRでは、社会人として身につけたスキルや豊富な経験をアピールすることが大きなポイントです。就労経験のない新卒者と区別するうえで、自分の実績を強調する必要があります。

就活の面接で、新卒者は自分の性格や資質を話したり、アルバイトやサークル活動を例に出したりします。これは、新卒者には社会人としての経験がまだないからです。すでに企業のなかで経験を積んでいる転職者は、自分の社会人としての実績を面接官に印象付けることが大切です。

表情や姿勢の練習をして印象に残る自己PRを

話し方や表情に気をつけることは面接ではとても大切です。人事担当者に好印象を残すためにも、面接の練習をしておきましょう。面接を受けているつもりで鏡のまえに座り、話しているときの表情や姿勢をチェックすることをお勧めします。

さらに役にたつのは、スマートフォンで話している様子を動画撮影し、それをあとから見直す方法です。声の大きさ、目線、話の聞き取りやすさ、表情が与える印象などを客観的にチェックできます。

面接中は緊張して、ふだんよりも早口になったり、顔がひきつって不自然な表情になることがめずらしくありません。これを避けるためにも、入念なリハーサルをしておくことは必要です。

2段階の自己PRを準備

面接は1度だけではなく、ほとんどの企業では2、3回行われます。面接を勝ち進むために、2段階の自己PRを準備しておきましょう。さいしょの1次、2次面接では、人事担当者や希望部署の上長が質問を行います。これをクリアして次へ進むと、役員による面接が行われます。

1次、2次面接では、「エクセルに強い」といった実務的なスキルや、「協調性がある」などの人間的な資質の高さをアピールすると有効です。他方、役員面接では、管理者目線で評価を得られるような話をするようにしましょう。組織に対するマネジメント能力の高さ、仕事に対する志の高さなどをアピールすることが好評価につながります。

役員は、組織の課題を見つけて対応したり管理したりする役割を担っている人たちです。こうしたスキルや能力をもっている人材に対しては、役員はとくに好印象をもちます。将来は幹部候補になる可能性があると判断されることもあるでしょう。管理職や上級職への転職をめざす人は、役員面接への準備はかならず行ってください。

自己PRの例文

未経験の業種や職種での転職を志望するケース

志望している職種は私にとって未経験のものです。ですが学生のころに○○の資格を取っていましたし、その後も●●のスキルも独学で身につけました。 これらは趣味として始めたものですが、自分の嗜好によく合っていたと思います。

御社に興味をもって調べているうち、▲▲部門や△△の職種に私のスキルが生かせることに気づきました。社会人として未経験の分野ではありますが、これらを生かせば御社のお役に立てると考えています。

もちろん、入社後にはさらに専門的な知識が必要となることは承知しています。勉強を自主的にすることは得意ですので、今後もレベルアップに尽力し、少しでも早く部署の一員として活躍できるように努めるつもりです。

第二新卒のケース

前職では約3年間、営業に従事していました。この仕事を通じて、取引先に対する責任感を身につけ、業績面で貢献できる喜びを感じることができました。おもに行っていたのは、メール文面の作成と推敲、電話の取次ぎ、名刺交換などです。

これらの業務で、基本的なビジネスマナーを学びました。営業にはやりがいを感じていましたが、私が本当に興味のあった○○業種でこれからはチャレンジしたいという思いが強くなってきました。

御社の事業、とくに●●部門では、私の前職での経験を活かしながら、新たなやりがいのある仕事ができると考えています。必要とされる知識やスキルは少しでも早く身につけ、御社のお役に立つための積極的な努力を惜しまない所存です。

フリーターから正社員への転職を志望するケース

これまではアルバイトとして、飲食店で接客と調理補助を担当していました。正社員ではありませんでしたが、仕事のうえではアルバイトも正社員も同じで、つねに真剣に取り組むものだと私は考えています。

お客様の立場になった接客対応を心がけ、改善点があれば上司に提言も積極的に行ってきました。お得意様から指名をいただけたり、業績に貢献できたりしたのは、私の志が正しかったためだと思っています。

御社で正社員として採用していただけましたら、今まで以上に仕事に励む所存です。自分の経験を生かしたアドバイスをアルバイト仲間にも行うことで、彼らのやる気を引き出してあげたいと思っています。

スキルや経験をアピールする自己PR

営業職志望者の自己PRの例

Q.前職の経験に基づいた自己PRをお願いします。

A.

経験・スキルの高さをアピール

営業職希望の自己PR例

Q.前職の経験などを踏まえた上で、自己PRをお願いします。

私が前職で担当していたのは、顧客に対するWebプロモーションのコンサルティング営業です。この部門で3年間勤めるうちに、大手食品マーカーを含む約20社を担当するようになりました。粘り強い性格を生かして、担当企業の関係者様と何度も話し合い、課題の本質を見つけるよう努力してきました。前職でのとくに大きな業績は、大手食品メーカーが行っていた総予算3億円のプロモーションコンペで受注を勝ち取ったことです。このおかげで、営業担当スタッフ60人の間で1位の成績を達成することができました。このすばらしい体験につながった努力を忘れず、御社でも顧客様へのヒアリングに力を行きたいと考えています。

<ポイントと解説>

職歴やその年数だけでなく、仕事の内容、顧客規模、実績が、「数字によって」具体的にアピールされた自己PRです。「営業部門で3年間」、「総予算3億円のプロモーションコンペ」、「営業担当スタッフ60人の間で1位」のように、数字が入ることで、面接官は仕事のスケールをイメージしやすくなります。実績を大きく上げることができたことについても、理由が述べられています。これなら入社後にもまた同じ能力を発揮できるだろうと、面接官に強く印象づけられる自己PRです。

このような内容で自己PRをすると、面接官からさらに質問が続くことが考えられます。「顧客との話し合いに時間をかけようと思ったのはなぜなのか」、「どのようなポイントを重点的にヒアリングしたのか」、「ほかの担当者はどのような営業を行っていたのか」などを尋ねられるかもしれません。自己PRを補完する質問と回答を、可能なかぎり事前に考えておきましょう。

次に、生産性を高めるための業務改善力が優れていることをアピールする自己PR例をとりあげます。人事部門で働いてきた求職者が、工数管理を徹底させることで、業務の円滑化に成功した業績を話しているイメージです。

業務改善力の高さをアピール

私は工数管理が得意です。これまでも業務内容の無駄をなくし、仕事の効率化を達成してきました。工数の見直しによって、課題を見つけて改善させる能力は、これまでの職場でも高い評価をいただいています。

前職で、中途採用者の人事担当を任されたときのことをお話しします。前任者の方針で、書類選考と面接に多大な時間をかけるのが通例でしたが、そのやり方では効率がよくないと私は思いました。そこで取引をする転職エージェントを厳選する、推薦採用枠を縮小する、応募条件を絞るなどの業務改善を行いました。

おかげで、採用までの工数は約半分になりました。無駄な面接や必要以上の採用もなくすことができました。

事務職で求められるスキルのひとつとして、効率よく業務を行う能力があげられます。それを生かすためには、必要に応じて業務改善を行うスキルも欠かせません。いくら正確な作業ができても、時間がかかりすぎていては、事務のレベルを下げるからです。事務職から事務職への転職を目指す人は、前職でいかに改善力を発揮したかを自己PRに盛り込んでみてください。

仕事上のポリシーや強みをアピール

チャレンジ精神を強みにしている人の自己PRの例

Q.あなたが信条としていることや強みを教えてください。それが仕事でどのように生かされているかについてもお願いします。

A.

私は、「チャレンジ精神をつねに忘れるな」をポリシーにして仕事に取り組んでいますた。食品メーカーで営業として配属されてましたが、他部門の業務にもつねに関心をもっていました。新商品の提案制度が社内で発表されたときに、私は迷わず自分のアイデアを応募しました。さいしょは1次審査で落選しましたが、その反省を生かして考えた2度目のアイデアは最終審査まで残っています。予算の都合で商品化はされませんでしたが、この経験から消費者目線で考えることができるようになりました。営業の仕事にもこの視点を生かすことができたので、その後は業績がアップしました。これからも好奇心を忘れず、チャレンジ精神を持ち続けて仕事に取り組んでいくつもりです。

<ポイントと解説>

経験と成果を具体的に述べることで、自分の強みとなっているポリシーの正しさをうまく主張できている自己PR例です。

ただしアピールするポリシーや強みを考えるときは、ターゲット企業の社風や業務内容になじみやすいものかどうかを判断することが大切です。

企業情報を調べて、そこで求められる社員像やおおよその雰囲気を把握しましょう。「業績が好調で、新規事業へも参入予定」や「意欲溢れる社員が集まっている」といった言葉で特徴を説明している会社に対しては、「チャレンジ精神を忘れない」アピールが好評価につながる可能性が高いです。

協調性の高さをアピール

私は協調性をもって行動することを得意にしています。上司にも後輩にも十分なコミュニケーションをとることで、これまでも両者のパイプとしての役目をはたしてきました。

前職で営業部署にいたときは、同僚や若手社員の相談役のような立場でした。新入社員が問題をおこしたとき、解決するまでいっしょに作業をしてサポートしたこともあります。私のもっている仕事のノウハウも惜しみなく伝え、指導してきました。悩みを聞いたうえで改善策を上司に提案し、若手社員が仕事に対して意欲をもてるように努めました。

職場でのストレスを小さくして労働意欲を高めたり、問題点を解決するために部署内での意見調節を行ったりすることに私は喜びを感じます。協調性を発揮することで、御社でも社内環境をプラスの方向に進めるお手伝いをしたいと考えています。

まとめ

今回はいくつかのチェックポイントを取り上げ、面接時の自己PRを成功させる方法を説明しました。いくつかの職種については、自己PR文例とキャリアアドバイザーからの助言も加えてあります。

重要なものをここでもう一度まとめておきます。これらのポイントをよく踏まえ、自信をもって面接を受けるための一助としてください。

  • 自己紹介とは別に自己PRを用意する
  • ターゲット企業が興味を示すような強みやスキルをアピールする
  • 前職の経験や実績に基づいた具体的な自己PRを作る
  • 数字などを挙げ、客観的な根拠を盛り込んだ自己PRが効果的
  • 職務経歴書に書いた内容と矛盾しない自己PRを行う
  • 新卒とは違う、社会経験豊富な人材であることを閉める自己PRを考える
  • 1次、2次面接と、そのあとの役員面接で使う2種類の自己PRを用意する
  • 予行演習をして、好印象を与える話し方、姿勢、表情を練習する

実際の面接では予想外のこともおこります。予期していなかった質問がでたり、相手の都合で面接の順番が変更されたりすることもあるでしょう。さまざまなアクシデントで動揺しないためにも、入念に対策を練り、準備をしておくことが必要になります。

「できるだけの準備をした、やれることはすべてやった」という実感がもてるまで、面接対策は十分に行いましょう。心に余裕があれば不安になることはありません。さまざまな質問を切り抜け、転職をきっと成功させることができます。

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