人事が納得する職務経歴書の自己PRを書くコツとNG例

職務経歴書の志望動機の書き方

転職を考えている人が、かならず用意しなければいけないのが職務経歴書と履歴書です。書類審査を通過できるかどうかは、この2つの書類で決まるといっていいでしょう。

これらの書類は、受付後は採用担当者と人事部に回されます。これらをざっと見て、採用担当者が「会ってみたい」と感じた人だけが面接へと進むことができます。

書類審査を通過して面接へ進むには、採用担当者の興味を引くような職務経歴書と履歴書を作らなければいけません。これらの書類を書くときのポイント、自己PRのコツなどをこれからお伝えします。

職務経歴書と履歴書のなかで自己PRを書く理由

職務経歴書と履歴書には、自己PR欄がかならずあります。

書類で自己PRを求められる理由のひとつは、採用担当者が書類選考を通過させるかどうかの判断材料とするためです。もうひとつの理由は、応募者の強みやスキルを前もって知ることで、質問のヒントを面接官が得るためです。

何十人もいる応募者をさしおいて、最終面接にまで残るのは大変なことです。応募書類のなかの自己PRは、その就職戦線を勝ち抜くための第一歩だといえるでしょう。

どれだけ高い専門性やスキルをもっているのか、企業にどんなに貢献できるかなどを、説得力ある文章で書くことが大切です。

職務経歴書と履歴書の自己PRは同じ内容でいいの?

職務経歴書と履歴書には、それぞれ自己PR欄があります。別々のことをここで書く必要はありません。どちらもほぼ同じ内容の自己PRで大丈夫です。

異なったことを書くと、どちらを重視すればいいのかと採用担当者が迷うことになります。強く印象づけるためにも、どちらにも同じ内容の自己PRを書くべきです。

ただし気をつけたいのは、職務経歴書と履歴書の自己PR欄は大きさが違うことです。職務経歴書にくらべ、履歴書のなかの自己PR欄はやや小さめです。全く同じ内容を、同じボリュームでどちらにも書くことはできません。

スムーズに仕上げるコツとしては、職務経歴書用に詳しい自己PRをまず用意します。次に、その要約を履歴書用に書いてみてください。この順で書くと、内容に矛盾のない2種類の自己PRができあがります。

職務履歴書はとくに大切です。採用担当者の印象に残るように、職務経歴書用には、具体性のある文章をじっくりと練り上げましょう。

職務履歴書用の自己PRを書くときのポイント

自己PRは、ターゲット企業の採用担当者や面接官に読んでもらうものです。大切なポイントを押さえて、好印象を与えるPR文を作りましょう。

読みやすく、失礼のない体裁を整える

文章自体も大切ですが、まずは一見して読みやすい体裁で書かれていることも重要なポイントです。ぱっと見たときに失礼な印象を与えるものだと、多忙な採用担当者は読み飛ばしてしまうかもしれません。

手書きの場合は、とくに注意をしてください。きれいな字であるに越したことはありませんが、それよりも大切なことは丁寧さです。文字の大きさをそろえ、字が詰まりすぎないように気をつけながら、読みやすく書くように心がけましょう。

たとえ手書きでミスをしても、修正液を使ってはいけません。間違った箇所は二重線で消し、訂正印を押してください。

パソコンを使うのであれば、文字のフォントをさいしょに調節しましょう。読みやすいのは10か11ポイントの文字です。

これで職務経歴書内の自己PR欄に何かを書こうとすると、だいたい400字ほどの文章が枠内に収まります。行数は約10行になるはずです。

短すぎても長すぎても、自己PR文の印象はわるくなります。下書きを何度かくりかえして、最適なボリュームの文章をうつくしく枠内に収められるように練習してみてください。

成功体験や得意なことをもとに自己PR文を考える

いざ書こうとすると、なにが自分の強みなのかわからなくて戸惑うものです。こういうときには、前職までの体験をゆっくり思い返してみましょう。

成果をあげることができたとき、上司や得意先から高い評価を与えられたときなどが、だれにでもかならずあるはずです。小さな成功でかまいません。印象に残った成功体験をもとに、自己PRの骨子を考えてみてください。

前職で得たスキルや貴重な経験などがあれば、それも手元にメモしておくといいでしょう。転職先でも使えそうなものであれば、それらも自己PR文に書き加えてみてください。

見得をはらずに正直な自己PR文を考える

関心をもってもらいたいばかりに、嘘の体験をもとに自己PR文を作る人もいます。しかしこれは逆効果です。採用担当者はベテランなので、架空の話にだまされることはまずありません。

大切なのは、見栄をはらずに、自分の正直な体験のなかから強みを見つけることです。

過去の自分をよく思い出し、自己分析をしっかりとしてみましょう。今までの職歴のなかに、仕事にプラスになった体験がかならずあるはずです。

自分に正直に向き合い、地道に成長してきたことを書くだけでも、それは立派な自己PR文になります。

ターゲット企業の求める人材に近いことをアピール

自分が応募をする企業が、どんな人材を求めているのかをよく考えてみてください。そこで必要とされる体験やスキルがあれば、どんどん自己PRに加えましょう。自己PRとは、企業が必要とする人材に、いかに自分が近いかを伝えるものなのです。

逆にどんなにすぐれたスキルをもっていても、ターゲット企業がそれを求めていなければ、それは自己PR文に書くべきことではありません。

複数の会社に応募する場合は、企業ごとに必要とされる人材についての調査が必要です。当然それにあわせて、会社ごとに自己PR文を作らなければいけません。

かならず「根拠」のある自己PRを

スキルを並べただけの自己PRには、説得力がまるでありません。具体的な根拠がなければ、印象の薄い文章になってしまいます。

どんな部署にいたときに、なんの必要があってそのスキルを身につけたのかまでを説明しましょう。エピソードを具体的に語るほど、説得力のある自己PR文ができあがります。

語尾に気をつける

自己PR文のなかでは、「〜と思います」「〜かもしれません」などの語尾表現は使ってはいけません。これらは、自信のなさそうな印象を与える表現だからです。

自己PR文を作るときは、語尾をかならず「〜です」{〜ます」でまとめてください。

文章の印象を決める大きな要素のひとつは語尾です。頼りなさそうな語尾ばかりが並ぶ自己PRを書いているようでは、書類選考を通過することすらむずかしくなるでしょう。

また自己PR文のラストに、「がんばります」「どうかよろしくお願いいたします」などのひと言は入れる必要はありません。職務経歴書は手紙ではないので、こうしたひと言がなくても失礼にはならないからです。

自己PR欄の大きさは限られています。すべてのスペースを使って、採用担当者に自分の強みを訴えてください。あいさつを入れる余白があるのなら、全体を見直し、さらに印象的な文章になるように推敲すべきでしょう。

3つか4つの強みを挙げて自己PRを作る

自己PR文のなかでは、3つか4つ程度の強みを取り上げてください。1つの強みだけで自己PRを書くことは危険です。採用担当者がその強みに興味を示さなかった場合、すぐに落とされてしまうからです。

複数のアピールポイントを並べておけば、どれか1つくらいは採用担当者が関心をもってくれるかもしれません。あまり多すぎると内容が散漫になるので、3つか4つの強みを取り上げて文章をまとめるようにしましょう。

職務経歴書の自己PRはすべての選考過程で重要

職務経歴書の自己PRがじっくり読まれるのは、書類審査のときだけではありません。最終面接にいたるまで、すべての選考過程で使われるのが職務経歴書の自己PR文です。

自己PR文を見ながら面接官は質問をします。そのときの答えが職務経歴書の内容と同じかどうか、面接官は当然チェックするでしょう。思いつきで書いてしまった人は、不自然な答えをして評価を下げることになるかもしれません。

面接官は何人もの求職者の選考を担当します。面接時の口頭での自己PRがどんなものだったか、あとから思い出せないことも当然あります。

どの人がどんなことを答えたのかを確認したくて、職務経歴書の自己PRをあとから見直すこともあるでしょう。

書類選考の通過後も、職務経歴書はずっと使われることになります。採用が決定されるまでのすべての選考過程で、必要とされるといっていいでしょう。

採用を勝ち取るうえで大切な部分なので、何度も見直しながら職務経歴書の自己PRをじっくりと考えてください。

文章の構成にも注意する

だらだらと書いた文章はよみにくいものです。少ない文章量であっても、構成に気を配って自己PRの文を作る必要があります。

こちらが、理想的な自己PR文の構成です。

自己PR文の構成
文章

結論=企業に対して自分がもっともアピールしたい強み

経験=強みの根拠となる経験やエピソード

意欲=この強みを生かして、入社後に企業のどのようなところに貢献できるか

結論を冒頭で書くことは大切なポイントです。もっとも伝えたいことがまっさきに目に入るので、採用担当者がその後の文章を読みやすくなります。

自分の体験を企業の求める人材イメージにリンクさせる

自己PRでは、企業の求める人材イメージにつながるような強みを書くべきです。どんなにすぐれたことであっても、企業の需要と関係ないものでは意味がありません。

強みを述べるときには、その根拠になる体験を忘れず書き加えるようにしてください。具体的なエピソードがあれば、自己PRの説得力が大きくアップします。

たとえば既存顧客からの受注増加を課題にしている企業に応募するとします。こうした企業の営業職に応募するのであれば、自分の交渉力の高さを自己PRに書くと効果的です。

それを裏付けるために、前職で自分が使った交渉術やその成果などを書き加えましょう。あるいは学生時代にまで遡り、劇団のサークル活動のリーダーとなり、多くの団員をまとめあげたなどの経験を書いてもかまいません。

強みやその根拠になっている体験を通して、入社後に自社で活躍してくれそうだというイメージを採用担当者に抱かせることが大切です。

転職面接における自己PR 転職面接における自己PRのコツと採用を勝ち取る例文まとめ

職務経歴書の自己PRの文字数

一般的には約300文字の自己PR文が最適

300字を目標に、自己PR文の下書きを作ってみてください。

ただし正確に300文字である必要はありません。少し足りなくても大丈夫ですが、300字から350字ほどに収めるとちょうどいいボリュームの自己PR文になります。

長くなる場合は400文字まではOK

書きたいことが多くて、300文字を超えてしまうこともあります。そういう場合は、400文字程度まではボリュームを膨らませても大丈夫です。

400文字を超過すると、読む側が長いと感じることがわかっています。冗長な印象を与えないためにも、400文字以内には自己PRを収めるといいでしょう。

ちなみに、一般の人が口頭で読める文字数は約300文字、プロのアナウンサーの場合は約400文字です。面接で自己PRを求められる場合、たいていは約1分の時間が応募者に与えられます。

長すぎる自己PR文を作ってしまうと、それを面接で生かしにくくなるということも覚えておきましょう。

文字数指定のある場合は注意

企業によっては、自己PRの文字数が指定されることもあります。たとえば400字以上という指定があれば、当然それにしたがって文章量を調節しなければいけません。300字程度というのは、あくまで一般的に理想とされる文字数です。

指示に適切に従えるように、「〜文字以上」「〜文字以下」「〜文字程度」などが、具体的になにを意味する指示なのかも覚えておく必要があります。

「〜文字以上」の場合、「〜文字」のプラス2割りの文字数が上限です。「〜文字以下」の場合、「〜文字」のマイナス2割りの文字数が下限です。「〜文字程度」の場合は、「〜文字」のマイナス2割りからプラス2割りまでの間に文字数を収めよという意味です。

文字数を確認できるように、さいしょはパソコンで文書の下書きを作ってみるといでしょう。

手書きの場合は文字の大きさや余白のとり方にも注意

職務経歴書を作るとき、手書きを指定する企業もあります。パソコンの文字と違い、手書きの場合はさまざまな注意が必要です。

文字や余白の大きさ、行間の幅などを考え、見やすく読みやすい体裁に整えるための練習もしなければいけません。

理想的なのは、8割りほど文字で占められている自己PR欄です。枠内が文字でいっぱいになっていると見づらくなります。

文章が枠内に美しく収まるように、何度も下書きをしてみてください。自己PR欄と同じ大きさの枠を紙に書き、そのなかに文字を収める練習をしてみるといいでしょう。

職務経歴書の自己PR文の失敗例

アピールポイントが多すぎる

複数のアピールポイントを用意するのはかまいませんが、増やしすぎることはお勧めできません。

アピールするポイントが多すぎると、強みが列挙されただけの自己PR文になってしまいます。それぞれの強みの背景にある、体験を書くスペースも足りなくなるでしょう。

採用担当者が興味をもちそうな強みだけを選び、それらについてしっかりと書くことが大切です。

コミュニケーション力とは何かが書かれていない

自己PRのなかに、コミュニケーション力が優れている点を挙げる人はたくさんいます。しかし、それが具体的にどういう能力なのか、どんな場面で成果を挙げたのかまで書く人はごく少数です。

コミュニケーション力とはあいまいな言葉です。非常によく使われますが、これほどわかりにくい言葉もありません。詳しく書かない限り、採用担当者がこれを評価することはまずありません。

たとえば営業職を希望する人であれば、「相手と交渉して商談をまとめあげる力」や「論理的に説明して相手を説得できる力」などと追加説明すべきでしょう。そうした能力が発揮されたエピソードも書く加えるべきです。

自分のコミュニケーション力を強調したい人は、その内容を具体的に書くことを心掛けてください。

根拠が示されていない文章、上から目線の文章

強みが並べられているだけで、それらの根拠になった体験が書かれていない文章はNGです。アピールポイントの箇条書きだけを読んでも、採用担当者がそれをすんなりと信じるわけがありません。

たとえば「責任感がある」とアピールしたい場合は、それが発揮されたエピソードを書き加えましょう。具体的な場面がイメージできると、採用担当者もその応募者に興味を示すかもしれません。

また上から目線で自己PR文を書くことも避けましょう。たとえばスキルを強調しすぎると、自信過剰な印象を与えることもあります。

下書きの文章をよく読み直してみましょう。思いのほか強い表現になっていないか、上から目線の表現が混じっていないかなどを、しっかりチェックすることが大切です。

企業のニーズから外れたことばかりを強調

自己PRを作るときには、ターゲット企業の求める人材像にふさわしい強みをアピールすることが大切です。どんなにすぐれたスキルや経験であっても、それを必要としていない会社にアピールすることに意味はありません。

そのためにも、自己PRの作成に取り掛かるまえに、企業の調査をしっかり行うことが非常に大切です。

たとえば法人営業の人材を求めている企業に対して、個人営業での経験と実績を自己PRで強調しても大した効果はないでしょう。

求めるニーズが明確な会社であれば、まったく興味を示してもらえずに書類審査で落とされるかもしれません。

企業に対する下調べを怠れば、自己PRが失敗する可能性は高くなります。企業のニーズをくみ取るために、ターゲット企業に関する情報収集はしっかりと行ってください。

まとめ

職務経歴書の自己PRを作るうえでの重要ポイントをまとめておきます。

重要ポイント
  1. 読みやすくなるように体裁を整える(文字数、文字サイズ、余白、表現など)
  2. ターゲット企業のニーズに合わせたアピールをする
  3. 強みといっしょに、その根拠になる経験も書く

ミスがないか客観的に判断するためにも、下書きを繰り返して何度も見直しましょう。どうしても自信がなければ、文章の構成や校閲経験のある人に依頼して、ブラッシュアップをしてもらうとう方法もあります。

転職を成功させるうえで、職務経歴書の自己PRは大きな鍵になります。ポイントを押さえた文章を作り、採用に大きく近づきましょう。

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