人には向き不向きがあるもので、営業職に向いている人、一般事務職に向いている人など様々なタイプの人がいるものです。
そんな様々な業務の中で、人事に向いている人はどんな人?と言われてもピンと来ないかもしれません。
人事と言えば人事異動や昇給・昇格をつかさどる職場であり、セクハラやパワハラなど車内で起きた問題を処理する部署でもあります。
そんな人事の事務に向いている人はどのような性質の人なのかを調べてみました。
人事に向いている人はこんな人
人事に向いている人①他人に対して関心がある
人事と言うからには、人となりはもちろんその人の性質を把握する必要があるため、他人人に対して興味を持ち関心を払うことが出来ることが必要です。
と言っても、誰かのことをこそこそ調べて長所や短所を探ると言う探偵まがいのことではなく、その人の力を信じ、チームや組織においてその人の個性をどう生かしていけばいいのかマネジメントが出来る人が望ましいでしょう。
実際、社員それぞれの個性や兆余を把握して結果、人材育成の観点から人事異動や研修の実施を検討していくことが出来る人こそ、人事に向いています。
また、採用担当ともなれば学生や転職希望者などとも直接コミュニケーションをとる機会が多くなりますから、企業のスポークスマンとして「いい会社みたいだ」と思わせるだけの快活さも必要です。
人事に向いている人②他人を大事にする人
人事と言えば、その人やセクションの意向を無視して、人を駒のように扱う人と思われて敬遠されることもあります。
ですが、組織を円滑に維持し、会社の成長や利益のために何が出来るかを考えられる人でなければ、人事として方針を持ち、実際に実行することはできません。
逆を言えば、人を駒のように見る人ではなく、できる限り個人の属性や経験、スキル等を考慮して最善策として人事権を行使できる人でないと、人事部門は務まらないのです。
また、人事の仕事は人に関わる仕事ですから、完璧な答えがあるわけでもありませんし、00%誰もが満足できる結論を出せるわけでもありません。
特定の人が100%満足するのではなく、みんなが及第点の70%ぐらいで人事をまとめ、その中で少しでも適材適所の人員配置を実現することは、他人を大事にする人でなければできないことでもあります。
人事に向いている人④公正な判断が出来る
いわゆる「えこひいき」をしない人でなければ、人事の事務はできないでしょう。
あるセクションには思うように人材を派遣し、そうでないセクションにはどうでもいい人材を配置するようなふるまいでは、会社全体のモチベーションが維持できませんから、えこひいきは功罪が多い行為です。
そんな功罪が多い行為をもとよりしないと言う公正な判断が出来る人でなければ人事部門は務まらないと言えます。
後世にふるまうと言うことは、会社の利益のために判断することが出来ると言う意味でもあります。
時に情に流される判断をしてしまいそうな時もあるでしょうが、そうではなくて会社全体の利益を追求する姿勢を貫く、それだけの公正さが人事部門の人間には求められているのです。
人事に向いている人⑤秘密を守ることができる
人事の仕事では様々な秘密事項に触れることも多いです。
時には個人の信条や家庭の問題、社内外での不正、セクハラやパワハラなどさまざまなマイナス情報を得ることもありますが、これらはすべて秘密にしておかなくてはなりません。
また、昇進や昇格なども車内に発表する前に知ってしまう立場ですから、発表までの間は口外してはならない秘密を持ったままになります。
そんな秘密の内容をあちらこちらで他人に話してしまうようでは、人事部門は務まりません。
むしろ、一人で秘密を抱え込まなければならないため、口が堅くて且つ約束を必ず守るだけの信念を持っている人の方が人事部門には向いています。
人事に向いている人⑥物事を論理的に考えることができる
人事は、コミュニケーション能力が求められる仕事であると同時に、論理的な思考もあわせて必要とされる部門です。
例えば人事に関する制度はただ有能な人材を評価するシステムであればいいわけではなく、労働諸法に抵触しないかどうかを確認したりするなど、論理的にいろいろな視野を持って取り組める人が向いています。
いわゆる「労務管理」は、時間外労働はもちろんのこと、人員が不足しているセクションに必要な人材を補充したり外部から派遣社員を受け入れるなど、法律に基づいて違法にならないような労働環境を整えることも大きな仕事のうちです。
このような場合、その場しのぎで「1名追加しますね」と言えば楽でしょうが、仕事には繁忙期や閑散期があるわけで、人を追加する以外の解決方法を思いつき行動に移せるだけの論理的な考え方が求められるわけです。
人事に向いている人⑦細かな部分に気を配れる人
人事部門にいれば、自分の下した決断でその社員が生き生きと働くことが出来るかを左右することに気がつくことになります。
実際に自分が決定した人事異動が適材適所だったのか、その答えはなかなか出てこないかもしれませんが、少なくとも人事異動のその後、あの社員はどうなったのかと気を配れる人は人事に向いています。
もし、人事異動後にそれぞれの社員が生き生きと働いていれば、自分の判断が間違っていなかったと自信を持つことができますし、そのことが「良かった」と思えるぐらい細かく気を配れる人であれば、経験とともに適材適所の人事異動を実現できるでしょう。
人事に向いている人⑧書類や資料を正確に作成できる
人事部門では個人単位で職歴を記録していくなど、膨大な資料や書類を作成する事務仕事が多いです。
もちろん、間違ってしまえば人事異動や昇給・昇格にまで悪影響を及ぼすので、ミスなくそして手際よく作成する必要があります。
これらの書類の中には、手書きで作成する書類もあればパソコンで作成する書類もあるでしょうから、パソコンスキルがあった方が良さそうです。
人事に向いている人⑨裏方仕事でも満足できる人
営業や企画のように成果を上げて評価されやすい職場と比べて、人事部門は裏方でしかないので、評価されているかどうか不安になることもあります。
ですから、裏方仕事に興味がなかったり我慢が出来なかったりする場合は、人事部門を希望しない方がいいでしょう。
人事の場合、目立つのは人事異動や昇給・昇格でクローズアップされる社員その人であり、その判断をした人事部門が評価されるわけではありません。
人を評価する部署ゆえに、自身を評価されることが逆に少ないと思えばモチベーションが下がってしまうようであれば、はっきり言って「人事に向いていない」と言い切ってしまえるでしょう。
人事に向いている人⑪野心的を持っていない人
人事部の仕事は先ほども述べたように、自身の努力が成果として評価されにくい仕事です。
努力をして高い評価を得たい人や出世したい人、数字や実績など目に見える形で自分の仕事が評価されることを望む人には人事は向いていません。
つまり「野心的な人」は人事部門には向いていません。
評価されることがモチベーションになる人もいれば、誰かの役に立てることでモチベーションになる人もいますが、人事部門には後者の性質の方が向いていると言えます。
人事に向いている人⑫おおらかな人
自分とは価値観の違う人のニーズに対応したり、自分の価値観で判断や決定をしていかなければいけないのが人事の仕事です。
ですから、感情的になって一時の感情で判断したり決断することが多い人は向いていません。
むしろ、どんなことがあっても「どこ吹く風」と思いながら自分の信念に基づいて決断や判断が出来るぐらいのおおらかな人の方が人事に向いています。
ここで言うおおらかと言うのは、みんなが傷つかないように決断を遅らせたり曖昧な判断をするという意味ではありません。
むしろ、会社のことを思って、組織のことを考えて他人から見たら非情な決断であってもそれをそつなく判断することが出来る人であり、普段の対応から見て「あの人が決めたのだから仕方がない」と思わせるだけのおおらかさのことを意味しています。
まとめ
世の中にはAIを導入して人間の代わりに仕事をさせようとしているケースが増えていますが、人事の仕事はAIには出来ない仕事ばかりです。
人の心は機械的に動かせるものでもありませんし、AIのように客観的に判断できるものでもありません。
人事と書いて「ひとごと」と揶揄する人もいますが、そこに自身の信念と会社のためを思って熟慮した結果を反映させていけば、血の通った「じんじ」になるのかもしれません。


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