ブラック企業の特徴には何がある?こんな企業には要注意!ブラック企業の共通点とは

ブラック企業の特徴

昨今、社会問題ともなっているブラック企業。このブラック企業という名称は、元々は反社会勢力のフロント企業などを指す言葉でした。

しかし、金融危機による就職難によって2000年代後半から、劣悪な労働環境・雇用条件で従業員を酷使する企業に対し、ネット上を中心に使われるようになってきました。

元々、日本型雇用形態による「終身雇用」「年功賃金」の保証を背景にし、「滅私奉公」を強いてきた企業が、その日本型雇用形態の崩壊に伴い、更に雇用側が売り手市場として優位に立ったことで、若年層を中心に、ブラック企業の犠牲となっています。

では、このブラック企業とはどのような特徴を持った企業の事なのでしょうか?

言葉は良く聞きますが、その本当の実態を知らない方の方が多いのではないでしょうか?そこで、今回はそんなブラック企業の特徴について、徹底解説します。

労働時間から見るブラック企業の特徴とは?

厚生労働HP内の「労働基準」にある「労働時間・休日に関する主な制度」によれば、

  • 使用者は、原則として「1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません
  • 使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません
  • 使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません

とあります。

では、この労働時間・休日からみるブラック企業とはどのような特徴を持っているのでしょうか?

36条協定を無視した労働時間

労働基準法では、雇用主側と労働組合による労使協定によって、労働時間の原則でもある40時間を超えて従業員を働かせることが出来るようになります。所謂「サブロク協定」のことで、労働基準法第36条1項に定められています。

大手企業などは、労働組合がしっかりとあり、それらと企業側との交渉「春闘」によって、従業員の雇用条件に付いての是正が行われたり、時間外労働について話し合われたりします。

ですが、いくら36協定で時間外労働についての約束事がされたとしても、月に45時間を超えて残業させることは、基本的に認められていません。

更に、過重労働による脳疾患・心疾患・精神疾患などが発症した場合、労災の認定基準として以下の時間外労働が認められる場合としています。

  • 発症前1か月に、概ね100時間を超える

発症前2か月ないし6か月にわたり、1か月概ね80時間超えるこの様な、異常な労働時間を強いる企業は、ブラック企業の特徴と言えます。

時間外労働の賃金未払い

36協定では、当然時間外労働に関する賃金についても、決められています。また、労働基準法でもある程度の基準を設けています。

時間外労働の基準 労働時間帯 割増率
普通残業 ~22時 25%
深夜残業 22時以降 50%

1週間の労働時間の基本は40時間となっていますが、中小企業の場合は44時間と長くなっています。また、月60時間以上の残業の場合も50%割増の賃金を支払うよう、書かれています。但し、中小企業の場合には、この50%割増も対象外となります。

ですが、ブラック企業の多くは中小企業で、労働時間の優遇を受けているだけでなく、労組というものがそもそも存在していません。

その為、労働基準監督局への36協定所の提出も正しくされているかどうかも、不明ですし、例え提出されていたとしても、雇用主側に都合の良い条件に依る内容で、提出されている可能性があります。

そして、残業を強いられたとしても、雇用条件などを盾に、時間外労働賃金が支払われません。

この様な企業の場合は、ブラック企業の可能性が高いと言えます。

労働時間として含まれない拘束時間がある

労働時間外に拘束されるというのも、ブラック企業の特徴の1つです。

一般企業の場合

休憩時間中の電話番や来客応対など、本来は休憩する時間帯に仕事を強いる場合、その後で休憩時間が取れるのなら問題はありません。

ですが、なし崩し的に休憩時間が削られ、その時間に対する賃金が発生していないのなら、企業側の認識不足かブラック企業かのどちらかです。

店舗などの場合

デパートやスーパーなどの小売店や、飲食店など、店舗を開ける前に開店準備があります。この開店準備を労働時間として認めていない場合は、違法行為になります。

特に、飲食店の場合には、仕込み時間として早朝から準備にかかることもあります。それにも拘らず、労働時間として認めていないのであれば、ブラック企業と言わざるを得ません。

夜勤がある場合

医療現場や警備担当など、夜勤がある場合には「仮眠時間」などが認められています。ですが、この仮眠時間を「労働時間外」として、賃金が発生しないこともあります。

ですが、夜勤をする理由として緊急事態に備えるということがあり、その為に夜勤担当が交代で仮眠をとることは、適切に任務にあたるために必要なことでもあります。

よって、「仮眠時間」を労働時間として認めていないのであれば、ブラック企業の可能性があります。

休日からみるブラック企業の特徴とは?

休日出勤と賃金未払い

労働基準法には、休日出勤についての規定も設けられており、また、休日出勤の割増賃金についても規定が設けられています。

それによれば、休日出勤の場合には、深夜残業と同じように50%割増で、賃金を支払うように定められています。

しかし、ブラック企業の場合には、休日出勤の割増賃金どころか、日額分の賃金すら支払うことはありません。

有給休暇を取らせてもらえない

有給休暇は、労働基準法でも従業員の権利として認められており、尚且つ雇用主は、以下の条件に置いて決められた日数の有給休暇を従業員に対し、与える義務があることも、はっきりと明記されています。

有給休暇付与条件

1.雇入れから6か月以上継続して勤務している
2.出勤日数が全労働日の8割を超えている

2つの条件を満たして初めて、有給休暇が付与されます。

また、厚生労働省が発行している「リーフレットシリーズ労働基準法39条」によると、半年間勤務している従業員に対し、最低10日間の年次有給休暇を付与するように定められています。

継続勤続年数 半年 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上
付与日数 10 11 12 14 16 18 20

更に、有給休暇を使ってお休みをする日は、従業員側が決めることが出来ます。従業員から休みたいといった申し出がる場合、「時季変更権」を行使できない場合には、雇用主側にはそれを妨害することは認めらません。

つまり、夏季休暇などで多くの従業員が同時に休暇を取得する場合、業務に支障をきたすことが判断されますので、雇用主側は従業員と協議のうえで、休暇取得日程を変更してもらうことが出来ます。

それ以外の理由、例えば、「業務多忙」を理由に、有給休暇取得を許可できないということは、違法行為となります。

また、以下の行為も違法行為となり、場合によっては従業員1人に対し30万円の罰金を支払わなければならいという状況にもなってしまいます。

  • 事前予告が必要
  • 上司や会社の許可が必要
  • 有給休暇取得理由を、会社が一方的に決定
  • 休暇取得理由を申請書に書かせる
  • 正社員以外には有給休暇を付与しない

などです。

例えば、「休暇申請書」のような申請書類を使って、有給休暇取得日程や取得理由を記入するように指示している企業は、大手企業も含め多く存在しています。

但し、これは企業側として有給休暇の日数管理などを行うためと、先ほど上げた様に、多数の従業員が同時期に休むことで生じ得る業務支障を考え、理由によって変更できるようであれば、従業員に日程をずらすよう相談するためでもあります。

その為、「休暇申請書」のようなものが存在する方らと言って、一方的に違法行為と断罪することは出来ません。

但し、一定要件を満たす理由以外の有給休暇取得を認めない、正当な理由もなく会社や上司が許可しないなどと言った行為は、違法となります。

この様な場合、企業側若しくは上司が有給休暇に対する知識を持っていないか、ブラック企業のどちらかです。

因みに、以前筆者が勤めていた中小企業では、「病気・通院・免許の書き換え」以外での有給休暇取得が認められていませんでした。

従業員側としても、無知な場合損をしてしまいますので、正しい知識を持つことが肝要です。

賃金などからみるブラック企業の特徴

賃金が労働量と反比例している

高度成長期において、「企業戦士」と呼ばれた現在60代以上の方々は、時間外労働も当たり前のように熟し、休日出勤も毎週のようにあっても、文句もなく頑張って働いてきました。

そこには、その労働力に対する、正当な対価として残業代や休日出勤代など、しっかりと給与に上乗せして支払われていたからこそできたことです。

バブル崩壊以前なら、残業が多くても、休日出勤があっても、多くの方がその労力に見合った、またはそれ以上の賃金を貰えていました。

ですが、現在では作業量が1人のキャパシティを超えていたとしても、新たな人材を入れることをせず、更に「売り上げが上がっていない」ことを理由に、賃金を上げることもしません。

その為、作業量に対する対価があまりにも低く、多くの従業員の意欲を削いでいる状況です。

雇用条件などを使って残業代・休日出勤代を支払わない

企業の利益は、単純に考えると売上から経費を引いた分となります。その為、利益を上げるために、経費削減を強く訴える雇用主も少なくありません。

そして、その経費の中には従業員の給与が含まれており、手っ取り早い経費削減が、従業員の給与削減なのです。

その為、職種に合わせて雇用条件を見直したり、裁量労働制を使って残業代をごまかしたりします。特に、都道府県別に定められている最低賃金以下の給与しか支払わないという暴挙に出る企業もあります。

様々な理由を付けて給与を減額する

景気が悪い・燃料代が高騰しているなど、従業員の責任に依るところでない理由によって、一方的に給与を減額するケースがあります。

特に目立ったのが、リーマンショックの頃です。多くの製造業において、派遣切りが横行し、その派遣社員が所属する特定派遣企業で、見られたケースです。

但し、このような企業の場合、派遣社員として雇用されている従業員の多くが、「契約社員」であり、派遣先が無くなった時点で契約満了となるケースもあり、一概にブラック企業とは言えません。

ですが、従業員と雇用主との間で取り決められた雇用条件に反し、雇用主が一方的に給与を減額した場合、契約違反となり、減額は無効となります。

よく解らない天引きがある

連日のテレビニュースなどで、外国人労働者の問題が取り上げられていました。その中に、給与から「お米代」と称して天引きしている企業がありました。

企業側の言い分としては、そのお米で従業員の食事を提供しているためとのことでしたが、あまりに高額で彼らの手取り額が、お小遣い程度になっていたことに驚きました。

この様に、よく解らない名目で企業が勝手に給与から天引きしているケースもあります。

入社と退職から見るブラック企業の特徴

従業員の入れ替わりが激しい

労働条件が悪い・待遇が悪いなど、多くのブラック企業において従業員が定着することはありません。入社しても、1年も持てば良い方でしょう。

その為、何時まで経っても人材が育たず、しかも、常に求人情報を出し続けています。

何時でも人手不足ということもありますので、余程ひどい経歴でない限り、簡単に採用してもらえます。

ブラック企業の求人情報を見れば、「未経験OK」「やる気があれば大丈夫」「君の情熱を・・・」「成長企業で・・・」「成長産業で・・・」といった、うたい文句が並んでいます。

仕事をする上で「やる気」や「情熱」は必要な要素でもあります。ですが、仕事内容よりもその言葉を中心に作成されている求人情報は、まず疑ってかかるべきでしょう。

また、転職活動で一番難しいのが、未経験業種・未経験職種への転職です。それでも、「やる気があれば、未経験でも大丈夫」と言い切ってしまう企業は、やはり、疑ってかかるべきでしょう。

就業規則を見せてもらえない

入社前または、入社後に、就業規則を見せてもらえない企業は、怪しいと思いましょう。

ブラック企業の場合、就業規則や賃金規定など、雇用に関するルールが整備されていないことが多いようです。その為、見せたくても見せることが出来ません。

労働基準法では、10名以上の従業員がいる企業の場合には、就業規則などを作成する義務があります。10名以上いるにもかかわらず、見せてもらえない場合には、ブラック企業で有る可能性を疑いましょう。

辞めたくても辞められない

こんなところにはいられないとの思いから、退職願を提出しても、色々と理由を付けて受理されなかったり、うやむやにされたりすることもあります。

最悪のケースでは、「損害賠償請求をする。裁判を起こす。」などの脅し文句で退職を止めようとします。

企業としては、ただでさえ労働環境・労働条件の悪さから、従業員が定着せず、常に人手不足状態ですので、出来ることなら今いる従業員を抱え込みたいという意思が働きます。

その為、あの手この手で辞めないように引き止めるのです。

社内の体質から見るブラック企業の特徴

ワンマン社長に誰も逆らえない

ブラック企業の特徴の1つとして、個人経営の企業が多いということがあげられます。その為なのか、ワンマン社長が、その日の思い付きでコロコロと意見を変え、従業員がそれに振り回されるというケースがあります。

また、そういったワンマン社長の場合、周りが意見できないということも、ブラック企業の特徴でもあります。

そして、そういったワンマン社長の、従業員に対するパワハラや無理難題を吹っ掛けるといったことが、横行します。

体育会系体質の職場

何故か、ブラック企業の多くが体育会系で、上司や先輩が絶対的な存在となっています。間違いを指摘しようものなら、ありえないほどの罵声を浴びせられ、嫌がらせを受けてしまいます。

上司や先輩を敬うことは、社会人として大人として、当然の行為なのですが、それを強要するのは、間違っています。

この様な企業は、ブラック企業の可能性は大と言えます。

最後に

ブラック企業のおおくは、その事実を表に出さないよう、巧妙に隠しています。ですが、特徴を知ることで見分けることも出来ます。

不景気が続き、失業率もまだまだ高い状況で、自分に合ったホワイト企業を探す方が難しい状況です。ですが、「自分にはこのブラック企業しか、就職先はないのだ」と諦めないでください。

就職活動・転職活動において大切なのは、企業に選んでもらうことではなく、あなたが自分が働きたいと思う企業を探すことです。

働きたくない企業に、無理に就職しないよう、ブラック企業にはまらないよう、入社前に見極めることが重要です。

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